起こしたいのはちょっとだけ寂しいから
妻が全然起きてこない。
昨夜は風呂キャンセル界隈だったが、今日は起床キャンセルのようだ。
いちど起こしに行ったとき、卸したての服を着ている私に「似合っているね」と言って、そのまま再び目を閉じてしまった。
あまりにシームレスな入眠に感心して、そのまま寝かせておくことにした。
なぜ起こしてくれなかったのかと怒られることもあるが、いずれにせよ起きないのだから仕方あるまい。
それにしても、今日はあまりにも起きない。
好きなだけ寝ていて欲しい気持ちもあるが、起こしたい気持ちもある。1人であれこれする休日も悪くないが、寂しさ故だろうか。
起こさないでいたら何時まで寝ていただろうか。
いつ頃からか、私は昼過ぎまで寝ていると言うことがすっかりなくなった。
明確にいつからだったかは覚えていないが、週に2回しかやってこない貴重な休みを寝過ごしてたまるか！！と言う気持ちが強くなったからだと思う。
昼過ぎくらいに起きたあの感じ。たいして休日を楽しんでもいないのにあっという間に暗くなってしまうあの感覚に少しでも抗っていたいのだ。
休みの前日とて、あまり調子に乗らずに早めに寝たいし、早く寝られた日は健康的でいいねえ！と褒めてあげたい。
自分にとって、休日は夜ふかしは楽しむものではない。
毎日の仕事で失われている日中を楽しむものでありたい。
だけど、夜更かしは夜更かしで楽しいんだと思う。深夜のテレビショッピングはまだやっているのだろか。
今日も今日とて雪かき。キリがない。家の周りをきれいにできると達成感があるが、ママさんダンプのシュプールはすぐに雪で埋まっていく。
節分の日。数日前まで豆まきと鬼をどうするかの話をしていたが、いざ当日になると面倒くさくなってしまった。昨年は妻が鬼だった。
せめて恵方巻は食べようと車を出して、割引された恵方巻を求めてスーパーへ。海鮮の恵方太巻きが食べたい。
到着した頃には時すでに遅し。割引されている恵方巻は既にはけてしまったようで、焼肉と、なんだかよくわからないものしかなかった。
恵方トルティーヤなるものがあって、棒状ならなんでもいいのか！と叫びそうになる。
刺身すらないので、なんだかとても落ち込んでしまって結局お惣菜屋さんの由緒正しそうな恵方巻きを買う。
これはこれでいいのだけど、海鮮のやつも食べたい。口惜しい。
妻にお願いしてもう一か所のスーパーに寄ると、あるではないか。大量に。しかも半額で。
クソでか海鮮恵方巻とワサビを買って満足して帰宅。
ダイニングの角が今年の恵方らしい。角を見つめて二人黙々と食べる。
一点を見つめて無言で巻物を食べるこの儀式を、今年も迎えられてよかった。
なんだか面倒くさいので豆まきスキップ界隈。
日曜の夜だけは、なんとなく早寝したくない。少しでも月曜日に抗いたいのだ。
明日の朝には、なぜ早く寝なかったのかと絶対に後悔する。
でも、それでいい。
小さくでも抵抗していこうじゃないか。
